養殖さん家のビニールハウス

@SakanaTennenの長ったらしいメモ置き場です。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会10話 11話感想 欲望

10話 「夏、はじまる」
11話 「みんなの夢、私の夢

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赤信号は何のメタファーか。



はい、でっかい課題が終わったのでまとめて書きます

主に11話感想なんですけど

内容もあるんですが10話のスクショ撮り忘れちゃって、尚更11話がメインになります。

公式HPのあらすじによると…

『その夜、音楽室で1人ピアノを弾いていた侑の元に訪れたせつ菜から、いつか侑さんの大好きを応援させてほしい、と励まされる。そこへ偶然通りかかった歩夢は笑顔で話す2人に声をかけることができなかった。』

いや、嘘をつくな

イチャついてただろ

本当に?


10話はなんというかまあ、先代に比べて虹ヶ咲があんまり刺さらないようって人が良く挙げるもののひとつ、「大きな目標が無くて~」へのアンサーを作りに行く回ではあったのかなとは思います。

この意見については廃校もラブライブ優勝も無印もサもおまけみたいな立ち位置(メンバーの成長とかそっちがメインなので)だった印象が強いので私個人としては「そんなもんなんだ~」って感じなんですが

サなんて大人の決定に意固地になってストーリーが訳わかんなくなったりメンヘラ発動させてめんどくさくなったりして見ててしんどかったですし、無印もサもラブライブらしい競争の描写なんてそんなタイトルから連想されるほどやってないですしね
いや文句付けに感想文書きたいわけじゃないからこんなところにしますけど


ところで誰しもが言うことではあると思うんですが、スクフェス発のキャラたちがスクフェスを作り上げていこうとするのって面白いですよね、虹ヶ咲って名前はスクフェスじゃなくてその先のPDPになるわけだけど

11話で「スクフェス」開催に向けて同好会に影響された子たちが協力するよ~って描写があったわけですが、無印のスノハレやら劇場版やら、サの劇場版やらを思い出しますね。ああいう青春の描写って刺さるんですよね、刺さるからこそこのシリーズを楽しめているわけですが。
虹ヶ咲の子たちって基本的に「(誰か)に(何か)を届けたい」が行動理由になってる子が多いですけど、彼方とか璃奈ちゃんとか果林さんとかスクールアイドルをやることそのものだったり、言い方はよくないけどその先の自分の満足のためがスクールアイドルの原動力って子にも自分を応援してくれる人の存在が力になっていくってのは綺麗だなあって、そんな風に思います。


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感情表現が苦手で自分に自信が持てなくてみんなと繋がりたいって思った璃奈ちゃんが応援してくれるみんなを集める一助になってるの、良くないですか、良いよね

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歩夢ちゃんも2話では果林さんに「今の私にファンなんて」って言っていたものがこれですからね嬉しいね
「でも、応援してくれる人は」…

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応援してくれる人は…
ジャージの着こなしがダサい

一応目次

①侑ちゃんだってやばいよねって話

なんかね、歩夢の「暴走」ばっかり言われますけど(言いたいけど)侑ちゃんも相当ですからね

私が思ったのは「せつ菜ちゃんのほうが大事なの?」に違うよって即答できたところ
侑ちゃん慣れてるよね?この展開

それに歩夢が甘え下手のくせに放っておかれるとめんどくさくなる女なんだって知ってるはずなんですよ、17年も一緒にいたのなら

まあ侑ちゃんと歩夢ちゃんの出会いとかなんで歩夢が侑ちゃんにベタ惚れなのかとかそんなエピソードが無いから何とも言えないんですけどOVAでいいから見せて、本当に見せてほしい 難しいのはわかるけど見たい)、これめんどくさい女とそれに対処できなかった男の痴話喧嘩みたいに映ってしまうのは、侑ちゃんの力不足だったのかなあって思っちゃいますね

スクフェス申請書で忙しかったのだから仕方ないってのもそうなんですけどね。人間関係の亀裂ってそういうお互いに可視化された文面だけでは語られない点でも起こってしまうから難しいよね

でもこれは歩夢ちゃんは甘え下手だっただけだし侑ちゃんは歩夢ちゃんのガス抜きや秘密を隠しきれなかっただけで致命的なミスを犯してるわけじゃないですから、批判が集まるような理由付けじゃないのは好印象です。

②で、当の歩夢さんの話

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いやめっちゃ面白いねこの子
この百合とかそんなのお構いなしに自分の「欲」をぶつけてくるの最高

僕は多分1話が一番好きなんですけど、歩夢ちゃんの「私の夢を一緒に見てくれる?」「私はいつも歩夢の隣にいるよ」ってその当時素直にとらえるとそりゃあ「スクールアイドルとして歩んでいく私のそばで支えてくれる?」になるじゃないですか。
それが「私は侑ちゃんに見てもらえるだけでいい、だから侑ちゃんは私だけを見ていて」にいつの間にか変換されてしまったの、普通に狂気ですからね。最高の女じゃん。

この歩夢ちゃんの考えていることって「親しい友人がクラス替えのあと新しい友人を作っていて疎外感を感じた~」みたいな誰しもが似たような経験をするわけですが、高校2年生までその感情に折り合いをつけるのに慣れていないとこうも暴走するもんなのかと。


まあ思春期真っただ中な展開をやってくれた桜坂しずくさんの回も見ましたし、スクールアイドルとして人前で歌ったりなんだりする子たちでも自分をちゃんと手懐けるのは難しいんだなあってのは見てて伝わりますよね、思春期って自分の感情に手が付けられない子いっぱいいるだろうし

そういった面でも歩夢ちゃんのこの展開に理解はできますが、さすがに共感は出来ないです。理解は出来ても賛成はできない。

だけど理解できるようにできているから歩夢ちゃんの行動はこのストーリーにおいて納得のいくものではあるし、突拍子のあるものではないと思います。それに面白い。
だから私は11話をかなり評価しているし、「理解できるが共感できない、だから『否/低評価』の判断を下す」って人がいて賛否両論になるのもわかる。つもりでいます。
理解できないよ~って人ももちろんいるだろうし

この理解と共感の違いや納得、賛成とかそういう話は「理解 共感」で出てくるnoteだったり↓のメディアがかなり面白いんで読んでもらえるとまた見る目が変わるかもしれないです。下のサイトは冒頭やが君の話が多いけど途中の「物語は、『感情移入』よりも『理解』をしてもらう」のところがおすすめ。今回のお話に欠かせないと思う。

media.comicspace.jp


そもそも理解とかそんな話の前段階に「ラブライブでこれやってほしくないからやだなあ」って感情もわかるんですけどね。感情が歩夢ちゃんに支配されちゃうのも無理なし。


③ところで

アニメ媒体以外の歩夢ちゃんの「あなた」は本来私たち画面外の観測者で、その延長線を辿る形で「ファンのみんな」になっているわけですけれども、そうなった理由、というかそんなこと言うまでもなく「あなた」一人だけのためにスクールアイドルをするなんて無理な話です。現在のアニメ歩夢がどこでその不特定多数の「あなた」の存在に気付くか、というのは恐らく12話で語られるのでしょうが、彼女自身のアイデンティティになる部分なのでとても楽しみです。


言葉を選ばず言ってしまえば、歩夢の夢は1話の時点で完結してしまっていて、その先を見つけた侑ちゃんに置いて行かれたくないし侑ちゃんを閉じ込めていたい。そんな夢への一歩を止めてしまっている歩夢ちゃんがどういった新しい一歩を歩みだすのか。楽しみです。

最後に、軽く触れましたが今回私が「百合じゃん」って言わなかった理由としては、これは二人の関係性というよりは歩夢ちゃんの欲望の爆発・発露って展開だよねって感じたからです。こればっかりは個人個人の百合の定義によると思うけどね。